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Channel: ゆめかたつの曲解的漫画考
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【黒バス】赤司征十郎と黄瀬涼太の「ただならぬ関係性」についての考察

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ちょっと過激なタイトルをつけてしまいましたが、決して2人は怪しい関係とかそういう意味ではなく、あくまでポジショニング的な話になります。

さて、帝光時代にはキセキの世代を従えていた、本編ではラスボス的存在でもある赤司と、ポテンシャルこそは高いもののキセキの世代では初っぱなからやられ役だった、実力的にもキャラ的にも「下っ端」ポジの黄瀬とでは、一見なんらシンクロする要素はないかのように思われます。

が、実はこの2人にはただならぬ因縁を見出してたりします。

それについて語る上で、かなり話は逸れますが、まずコアな読者ならば誰しもが疑問に感じていた、黒バス七不思議ともいえるあのキャラのあの台詞について言及させて頂きます。


……火神と黒子が初めて「光と影」の連携プレイを披露したあの海常との練習試合後。。。

「生まれて初めての試合での敗北」に打ちひしがれながらも1人給水場で汗と涙を洗い流す黄瀬のもとにやってきた緑間は、「黒子っちには会いに行かないんスか」と黄瀬に問われ、「A型の黒子とB型の俺とは相性が悪いのだよ」と説明します。

で、じゃあそんな緑間が黄瀬には会いに来られた時点で、黄瀬の血液型はA型以外であるという理屈になるはずなのですが、のちに公式プロフィールで明らかにされた黄瀬の血液型はA型なんですよね……アレ???(^.^)ドーユーコトナンダッテバヨ!!

これには諸説あって、


1.緑間は黄瀬の血液型を知らなかったから
2.初めての敗北を味わった黄瀬が心配で会いに行ったから
3.この時点ではまだ黄瀬の血液型はA型ではなかったから(メタ的事情


まず、1はあまり考えられないんですよねー…

なぜならあれほど占いに熱心な緑間が、仮にも中学時代は同じレギュラーだったメンバーの血液型を把握してないなどというワケはないですからね。

となると、2か3なわけですが…

うーん、ツンデレ緑間さん推しとしては「2.初めての敗北を味わった黄瀬が心配で会いに行ったから」を正解としたいところですが、ここは敢えて「3.この時点ではまだ黄瀬の血液型はA型ではなかったから」というメタ的事情で考察を進めていきたいと思います。

メタ的事情というと、高尾のチャリアカーで神奈川くんだりの海常高校までやってきたという時点で、この時点ではまだ海常高校が神奈川県の学校であるという設定があったかどうかも微妙なんですよねー。

まあそれは置いておいたとしても、海常レギュラーでもある森山センパイのキャラデザすらちゃんと定まってなかったり、回想赤司の口調がキャラ違いだったり(「黒子は別だろがぁ」ってやつね)、何かと急造的だったのも初期黒バスの特徴と言えます。

と、このように学校所在地や血液型設定云々どころかキセキの世代全員のキャラ付けができていたのかすら怪しい、作者さん曰く「前のめり」状態で走り出した黒子のバスケの連載ですが、これには週刊少年ジャンプの「10週打ち切りシステム」が大きく関わってると思われます。

つまり人気が出なければ誠凛のWC優勝どころか、ライバル役であるキセキの世代5人とも登場させることすら怪しいということで…そこでポイントとなってくるのが当時は若き新人連載作家でもある藤巻先生の「前のめり」発言なのです。

要するに、長期連載を見越したブレーキ(出し惜しみ)を一切かけず、本来ならばかませキャラの宿命を背負うべき「一番初めに登場する敵キャラ」である黄瀬に、それこそラスボス級の要素を詰め込もうとしていたフシが初期の黄瀬を見ていると見受けられるのです。

そう思えるほどに黄瀬自身が魅力的なキャラだったというのももちろんありますが、それ以上に、私が着目しているのが前述した黄瀬の血液型設定についてなのです。


…はい、大きく逸れましたがようやく本題です!


緑間はA型の黒子とは相性が悪いから会いに行かなかったと言ってます。

だけど蓋を開けてみたら黄瀬もまたA型だったというメタ的案件…

でも本当にこの時点では黄瀬の血液型は決まってなかったのか??

実は当時の黄瀬の血液型はAB型設定だったと私は思っております。

AB型と言えば赤司もそうなのですが、こう…AB型から連想されるイメージとして「二面性」という性格的特徴があったりします(AB型の人スミマセン)

そしてもしかしたら、黒子のバスケのラスボスはもともと「2人いる」設定がずっと構想にあったのかなと…

たまたま人気が出て連載が続いたのでキセキの世代も無事5人登場させられて、ラスボス=赤司となり、黄瀬がラスボスのまま連載終了(10週打ち切り)という最悪の結果は回避されたのですが、まあその時点で作者さんが温めていたであろう「ラスボスは2人(の人格が)いる!」という設定を黄瀬が受け継ぐ必要はなくなりました。

そもそも緑間が黄瀬を訪ねていったときの第一声でもある「双子座の今日の運勢は最悪なのだよ」という台詞にも、個人的には若干の唐突さと違和感を感じていました。

この「双子」というのがまた、のちにラスボスが2つの人格を持つという設定を紐解く上での、ミスリードを誘うキーワードが仕掛けられたものだったのかなと…

えと結論を言います。

ラスボス赤司の人格は黄瀬の人格をそのままカスタムされたものだった!!!!!


かつて赤司は黄瀬によって模倣された天帝の眼に関して「フェイクとオリジナル 比べられることすら不快だ」と言い放っていましたが、いみじくも、黄瀬というキャラ自体が連載状況によっては赤司が出てこられなかった場合の「フェイク(代わり)」だったというわけです。少なくとも初期の時点では…

つまり連載が続き、赤司がラスボスとして登場することが確定になった時点で、黄瀬もまた、「ラスボスのフェイクではない」自分自身のキャラを歩み始めたわけですね。

余談ですが練習試合での敗北の瞬間の黄瀬と、決勝戦での敗北の瞬間の赤司がちょっとだけ重なるのもまた、気になってたんですよねー…

黄瀬「生まれて始めて…負け…(ここで涙が落ちる)」
赤司「…負けた…生まれて初めて…」

どちらにも共通するのが、「敗北は生まれて初めて」というワード、そして、敗北の衝撃で茫然自失となるところです。

こうした黄瀬と赤司の敗北の瞬間が「ラスボスの敗北シーン」としてあらかじめ思い描かれていたのであれば、2人の敗北の瞬間が似通うことが上記の考察の裏付けとして当てはまらなくもない…のかな…?!とか思ったりしてます。


思えば初期黄瀬にはどことなく、藤巻先生の思い描いていたであろうラスボス像が垣間見えます。

▼例えばこのシーン…

イメージ 1


一見、敵とは思えないほど親しみやすくて礼儀正しく、爽やかな好青年風なのに、ふとスイッチが入ったように挑発的な一面を見せるといった、この得体のしれない魔性的な二面性…どこか既視感があるなと思ったら、アレです。『エクストラゲーム』のラスボス・ナッシュの初登場がそんな感じでした。


▼初っ端から暴君キャラよろしく飛ばしまくるシルバーを諫め、凍り付いた空気にすかさずフォローを入れる紳士な振る舞いをするナッシュ

イメージ 2


▼かと思えば…

イメージ 3



人懐っこい天真爛漫さと挑発的さとの二面性が魅力の黄瀬と、物腰柔らかで紳士的な一面と勝利の為なら手段を選ばない容赦なさとの二面性が魅力の赤司…ラスボスに欠かせない奥の深いキャラ付けの延長に、このナッシュというキャラがあったりするのかなと思ったり……

まあこんな感じで、場合によっては緑間のセリフが「黄瀬涼太は2人いる」ってなことになってた可能性があったってことも示唆しつつ、このへんで締めくくりたいと思います!

最後まで読んでくださった方、どうもありがとう!



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