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Channel: ゆめかたつの曲解的漫画考
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【幽麗塔】永遠の少年・テツオの魅力について語る

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ここ数日、『幽麗塔』にドハマりして日常生活に支障きたすレベルですので一旦毒抜きも兼ねてぶちまけさせてください!やばいです!



舞台は昭和29年の神戸――「幽霊塔」とも呼ばれるいわくつきの時計塔に眠る財宝をめぐる怪奇冒険譚!…って感じなのですが、えと今回はそこに登場する「男装の麗人」(いわゆるボクっ娘)テツオの魅力について語らせてもらいます。

相変わらずのキモオタ節なんで充分にご注意願います。

「敵」か「味方」か分からない――そのミステリアス性が良い

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天野クンにとっては初恋のマドンナでもあった花園さんを惨殺した憎っくき「死番虫」――

しかしてその全貌は謎に包まれており、かつて時計塔に磔にされた自分を救出し、財宝探しの冒険に誘ってくれたテツオもまた、全面的に信用するには隠し事が多すぎる……いやむしろ幽霊塔に詳しすぎる分、容疑者としては申し分ない。

ちなみにテツオが実は女性であること、そして「老婆殺し」の第一容疑者でもあり、この物語の「ミステリの肝」ともいえるであろう藤宮麗子と関係の深い人物(あるいは本人?)であるということについては序盤で結構あっさりと匂わせているのも清々しくてよい。むしろそこをもったいぶられてたら途中で読むのやめてたかもね。テツオの「正体」を早々に明かしてくれてたからこそ逆に一層、テツオの「ミステリアスさ」というか「含蓄深さ」に拍車がかかったとも言える。

「敵」なのか「味方」なのか、「悪人」なのか実はそうでないのか…「老婆殺し」そして「花園さん」を殺したのはテツオなのかそうでないのか…ウーンできればちょっとワルぶってるただの冒険好きの美青年でいてほしい…とか思ってみたり…

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そんなこんなで天野クン目線で翻弄されるうちに、いつのまにかそんなミステリアスなテツオの虜となるわけです。

ふてぶてしいほどの勝気な威勢よさが小気味良い

テスラ博士に捕らえられ、まさに絶体絶命のテツオたち…。

クスリを投与され自由を拘束されている以上、本来ならばここは相手をあまり刺激せずに何とか助かる道を模索するのが得策であり、あるいはもはや逃れられないと絶望し放心状態になるか、あるいは死の恐怖から取り乱し、あるいはなりふり構わず必死で命乞いをするべき場面だと思うのですが…

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「僕達をどうするつもりだ?」
「殺すなら眠ってる間にやってほしかったね」

…っていやいやいやいや

圧倒的劣勢に立たされてるにもかかわらず、この期に及んでこの減らず口…

あのね…ぶっちゃけこーいう勝気でイキのいいキャラは男でも女でもホント大好き!!!

さらにテツオの威勢よさは止まらない…


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念のため注釈しておくと、このシーンは形勢逆転してるわけでもなんでもなく、依然として窮地に立たされてることに変わりないからね。むしろタイムリミットは刻一刻と迫り状況はかなり最悪……それでもテツオは取り乱し命乞いをするでもなく、かといって命を諦め投げやりになっているわけでもなく、ただただ、生殺与奪の権を振りかざすこのテスラ博士に「思い知らせてやりたい」という、その思いからの所業ですからねコレ…テツオの負けん気の強さと気高さがとくと窺い知れるというものですよ。

さらに逆境に立たされたときのテツオの勝気さがよくわかるシーンがこちら


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同じく財宝の秘密を探る丸部検事によって「時計塔屋敷地下で起きた大量殺人事件」の容疑者に仕立て上げられ、さらに丸部の軟禁状態にあるテツオたち。そこで丸部から悪趣味な嫌がらせを受け屈辱を舐めさせられたテツオだったが、逆らえないなりにも決してただでは屈しない――大きく傷つきながらもそれを微塵も感じさせないところにグっときちゃうのです。

丸部による陵辱的な誘導尋問に耐えるテツオ

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気の強い美人ほどそのプライドをバキバキにへし折って泣かせてやりたいっていう気持ちもまあ…分からないではないですがね。

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「お前のような奴の」
「心を折るのが大好きなんだよ」


その後も丸部検事によるテツオへの悪趣味で執拗な嫌がらせはしばらく続きます(いいぞもっとやれ

あとこういう、高飛車で大胆不敵なところもグっとくるね

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――丸部の奸計に嵌り指名手配中のテツオと天野。

地下で刺された傷が痛み歩けないと嘆く天野のため、盗んだ自転車で颯爽とエスコートするテツオ。その大胆さと、頼もしい優しさに天野(注:男)は思わず頬を赤らめます。

これはやばい…惚れる…



完全無欠なようでいてツメが甘いところがツボ

頭の回転が速く大胆不敵、その一方で用心深く周到なテツオだからこそ2年間、警察の目をかいくぐり、性別も名前も偽りながら逃亡してこられたという実績があるわけですが…意外とツメが甘いというか抜けてるところがあったりするのがまたカワイイんですよねー。


たとえば寝相とか…

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いや寝相が悪いこと自体がどうこうってわけじゃないけどテツオの場合、「男性として」天野クンと一緒にいるわけだよね?!だったらこの時点でアウトだよね?!

まあ…秘密を共有する仲としてテツオが天野クンにそれだけ心を開いたがゆえの油断という考えも出来るんですが、それでも「僕を男として見て欲しい」と言いつつこの仕打ちはかなり天野クンに対して酷じゃないかとまあ…思うワケなのですよ…

あと肝心なときに結構よく転ぶとことか…


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コレとかも…かなりきわどいよね…

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アッ、誤解のないように申し上げておくとテツオは決して鈍臭いタイプなどではなく、むしろめちゃんこ強いし運動神経もバツグンなんで…

自分より体躯のはるかにある男への締め技も決めちゃうくらいだヨ
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じゃなきゃ単なるドジっ娘ですが、テツオの場合、普段はこれだけ知力・体力ともに備えた大胆不敵な傑物なのに、肝心なところで抜けてるところが憎めないというか、可愛らしいんですよねー。

「ボクっ娘」キャラを愛でる醍醐味ってなんだと思う?それはね……


ずばり「実は女だった」と分かってからのプレイバック、つまり回顧作業をする瞬間……コレにつきるんじゃないでしょうか。

えと、要するにこういうことです↓↓


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男同士だと思って見てたことが女のコだって分かった瞬間、色々違って見えてくることってあるよねっていう。しかも彼らの場合、かなりハードな旅路ゆえ、それなりに際どいシチュも数多あったワケで…

まあテツオの場合、そんじょそこらの男性キャラよりずっと男らしいんで、ついつい女であることを失念しがちだったりもするんですが、私が個人的に「あとからイロイロ回顧して滾ったシーン」ってのがこちら…

※一応、閲覧注意

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天野を諦めさせるため、丸部と関係を持ったという「嘘」をつくテツオ。まあ出血の真相は「女のコの日」的なアレだったわけですが…えと…ですねつまり私が言いたいのはこのシーン、ちょうど天野が財宝を探し当てた直後、つまり幽霊塔にある数多のワナを潜り抜け、血で血を洗うハードな冒険をしていた日と同日なのです(私の言ってること、お分かり頂けますでしょうか?!)

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血の量からしてまだ1~2日目くらい…?

一般に一番症状の重いと言われる時期にこの運動量はハードすぎなんじゃないのかとか、飄々と男顔負けのアクションをこなしてたけど実は体調が万全じゃなく辛かったんじゃないかとか、まあそういうことをですね、あとから振り返ってみるとその…正直滾るというか…なんなんでしょうねこの気持ち…

キモブタでホントすみません!!!!!

時折ふと見せる寂しげな表情がギャップ萌え

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普段はこんな「向かうところ敵なし」と言わんばかりの尊大な態度をとるテツオですが…

天野太一と行動を共にするうち、彼の温かくて純真無垢な人柄に心を許してなのか、ふとこうした寂しげな表情を見せたりします。

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「テツオはまだ自分には言えない大きな秘密を抱えている」と薄々気づきつつも、すべてを話してくれないのはまだ自分がそれだけ信用に足る人物ではないからと飲み込み、それでも自分はテツオの味方でいてやりたいと心に誓う天野。

天野にとってテツオとは、強くてかっこよくて頭も良くて何でも出来るヒーローであると同時に、このあたりから徐々に、ヒロイン化の兆候も見られたりしてくるんですよね。とはいえまだまだ天野の方がどちらかというとエスコートされる側であることに違いはないのですが…

「可愛い」「か弱い」だけじゃ物足りない――だけどふとしたときに見せる「弱さ」とのギャップがもうやばいです!!!

フェチ心をイロイロ刺激されるテツオの「少年っぽさ」

私のような年季の入ったキモオタですら、心してかからないと色んな扉を開けられそうで怖いんですが、果たして耐性のない人は大丈夫でしょうか。

これヤバイと思ったの貼っておきますね。

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後ろから羽交い絞めされるも、引き締まった太腿固めで返り討ちを図るテツオ。

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まあ結局プスっとやられちゃうわけですが…

ていうか吊ズボンにネクタイとか反則すぎるやろ!!!!!

ウゥッ……


花園さん…花園さん…
(※気を静める呪文)

絶対領域も眼福さることながらこの、羽交い絞めからの反撃っていうテツオのじゃじゃ馬な勝気さが愛しいね…。

あと個人的にお気に入りなのがこのコマ

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セクシャルなドレスもヒールも美人でナイスバディなテツオにはすごーく似合ってるのに、それらすべて台無しにする容赦ないガニ股歩きwww

まあ…心は男の子だからね。

「探検」とかいかにも男…っていうか少年っぽくて、やんちゃな感じがドレス姿とはミスマッチで、捕らわれのお姫様には全然似つかわしくなくて、逆にそそります。

丸部も指摘していたように、「男になりきれない」テツオはいつまでも「少年の心」のままで、そんなテツオがかつて友情を求めた男性達はみな、冒険の途中で成長し一人前の男性となってゆく――そしてそのたびに未成熟な「少年」のまま置いていかれるテツオの悲哀がとてつもなく美しく儚く、そしてたまらなく魅力的だったりするんですよねー。


とまあこんな感じで、まだまだ毒抜きし切れてない分は後日語ります!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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