RUM(ラム)候補は3人に絞られた
そしてゼロシコでの振る舞いなどから黒田が「公安のゼロを管轄する裏の理事官」つまり降谷零の上司であり、さらに降谷へ「バーボン」と呼びかけた事から、組織に通ずる人物=RUM説も濃厚に…?!
▼コナンに関する情報源も直属の部下である降谷からである事は容易に推測できる
しかしもし黒田管理官が実は組織に潜伏する公安側の人間(あるいは逆に公安を欺く組織の人間)であるとすれば、純黒ではキュラソーにNOCリストを出させたあの一連の行動は一体なんだったのかということになりますよね。
黒田兵衛は公安の顔とRUMの2つの顔を持ち、事故の際の脳への後遺症で互いの記憶はうまくリンクしない(いわゆる「ヤヌスの鏡」状態)…それならばあの支離滅裂な行動も何とか説明つくのか?!とも考えましたが、それはさすがに設定盛りすぎで個人的に気に食わないので却下で…。
とはいえ黒田ラム説を推し進めるにあたって純黒はまずクリアすべき大きな障害ではあるんですよねー。
では黒田(RUM)と降谷(バーボン)は「純黒以降」に繋がったという可能性があるとすればどうか…もっと言えば降谷と黒田の繋がりは降谷主導によるものであり、黒田を裏の理事官へ手引きしたのが降谷自身…つまり関係のイニシアチブは黒田ではなく降谷が握ってるって構図(つまり緋色で降谷が部下の人に仄めかしてた上司の存在は黒田ではない?)
普通に裏の理事官とRUMのダブルフェイスを使い分ける黒田に降谷が踊らされているというのもアリですが、降谷の性格やこれまでの行動パターンを分析するに、黒田(RUM)とは「実は全てを知った上で何らかの協定を結んでいる」という気がします。
えっじゃあ降谷零は公安の人間でありながら組織のNo.2とも結託してる二重スパイってコトになる?!?!
いやいや降谷零といえば「僕の恋人は日本」と言い切り命がけでテロの脅威から国を守ろうとしていたほどの正義感と使命感の持ち主…悪の組織の二重スパイっていうのはさすがに考え難いよー…とも思われるでしょうが、むしろ恋人(日本)を守るという大儀のもとであれば公安を組織が乗っ取ることぐらい平気でやりそうな気もします。
幼少期よりエレーナ先生という、組織と深くかかわりを持つ人物との交流…そして20代前半の多感な時期より、バーボンというコードネームを与えられ組織に潜入捜査入りしていたという事もあり、組織側の正義に染まらないとも限りません。いや100%染まらずとも「日本を守る」という大儀を果たすに置いて、日本警察に欠けていて組織にあるものをもし見出していたとすれば、組織のNo.2であるRUMを懐柔し、最終的には組織の機能そのものを牛耳るという野心を降谷が抱いているとすればどうでしょう。極端な話、正義を執行する手段を何も公安に限定する必要はないわけですからね。
留守番電話にしていたからといって必ずしも留守だとは限らない…ガムテで目張りされていたからといって必ずしも扉が開かないとは限らない…阿笠博士が美味しそうに飲み干したからと言って必ずしも紅茶であるとは限らない…黒田と降谷は「正義側」だがその「正義」が必ずしも警察庁にあるとは限らない…つまりはそういうことなのかな。
降谷零という人物像に迫る事で黒田(RUM)との関係性を紐解く
ところで黒田ラムと降谷が降谷主導の蜜月関係にあるとして、果たして降谷はどうやって黒田ラムに取り入ったのでしょうか。それを紐解くにはまず降谷零という人物像をプロファイリングしていく必要があるかと思います。
まあ彼も大概に謎の人物ではありますが、その性格は意外とわかりやすかったりします。まず特徴的なところとして、絶対にいかなる場合においても自身を優位な立場でいようとする自尊心の高さが挙げられます。
たとえばベルモットとのこちらの会話シーン…
もともと降谷(バーボン)とベルモットは、小五郎や蘭たちの懐に入り込むことに成功した降谷(バーボン)が決して彼らに危害を加えないというベルモットとの協定のもと、協力関係を築き上げてきた仲です。「これからも力を貸してくださいね」と念を押すためにわざわざ「なにしろ僕はあなたの秘密を握ってる」といった脅し文句を吐く必然性はあまりないように感じます。
それこそ「赤井は生きてる」などという妄言に付き合いこれまでひと肌もふた肌も脱いでくれたベルモットに対し、ここは少し下手(したて)に出てでも「そんなコトいわずにこれからもお願いしますよー^^」くらいの態度を取るくらいでもよかったのでは?と凡人の私などは思ってしまうのですが…このシーンからも降谷の、常に相手の優位に立とうとするマウンティングゴリラっぷりが垣間見れます。
ところでこうしたマウントポジション取りたがりな輩には得てして「権威(ステータス)」を振りかざすタイプが多くみられます。
が降谷の場合、そうしたものには一切のこだわりはないように見受けられます。
もし降谷が「自分を優位に立たせるための権威」に固執するタイプであれば、到底トリプルフェイスなどは務まらないからです。
では何をもって優位に立とうとするのか…それは「心理的優位」に他なりません。つまり心理的にさえ優位に立っていれば立ち位置が「公安のキャリア」でも「私立探偵の弟子(フリーター)」でも一向に拘りません。ある意味、ステータスに頼るマウンティングゴリラより厄介なゴリラといえます。
さてそんな降谷が、裏の理事官だからといって黒田へ手放しに忠誠を誓うものでしょうか。恐らくは忠実に指示をこなしつつも常に自分が優位に立つカードを探ってそうな気はします。これは降谷がゼロという立場から身近な人は常に警戒し…というのではなく性格的な習性によるものだと思ってます。そして黒田のとんでもない秘密を知ってしまう…
黒田管理官の秘密…それを語る前置きとして、降谷零の「探偵としての洞察力」として極めて特殊かつ突き抜けて秀でた能力について語りたいと思います。
降谷零の特殊能力
RUMのNo.2キュラソーが特殊な「記憶能力」を持ち得たように降谷もまた一種の「特殊能力」を持つキャラであることがこれまで彼が安室透として立ち会った事件解決の案件から見えてきます。
そもそも毛利小五郎の懐に入るきっかけとなった最初の事件がすでに降谷の特殊能力を最大限に活かせる内容のものでした。
事件の真相を解くカギは、容疑にかけられた男と被害者が「実は双子だった」という事実にありました。今から思えば降谷(安室)が自分のシナリオを進めるうえでうってつけの得意分野な案件だったのでしょうね。
ちなみに、ミストレでは初対面の灰原哀に対し「さすがヘルエンジェルの娘さんだ。よく似てらっしゃる」と言葉をかけてます。えと、私は個人的にココ、すごーく違和感があったんですよね。「えっ…エレーナさんと哀ちゃんそんな似てるか?!」っていうね…
纏う雰囲気もさほど似てるように見えないのですが…これは思いがけず言葉にしてしまった降谷(バーボン)の失言だったように私は思います。彼の特殊能力の片りんを匂わせてしまったという意味では…
なお降谷の特殊能力が「他人の血縁関係を瞬時に見抜く」ものであるとすれば、ベルモットの秘密=「ボスとベルモットは何らかの血縁関係がある」という解が見えてきます。
うんうん、成る程こうやって降谷零という男は自分の特殊能力を存分に活用し、それをネタに相手の懐へ入りこみ、自分の優位にコトを運んで行ったんでしょうね。それが彼の常套手口なのかもしれません。
黒田管理官の「秘密」に関して
黒田管理官もまた、重要人物の誰かさんと血縁関係にあったとすれば…その秘密を血縁サーチ能力者・降谷にかぎつかれ、何らかの協定関係を結んでいる可能性はありますね。ベルモットの時のように…
▼黒田の正体として、巷でもっぱらの候補に挙げられている人物としては赤井の父(務武さん)
遺体は上がってない事や、赤井務武が消息不明となった時期と黒田が意識不明となった時期が被ることなどからも、夢は膨らみます。
ちょっとその背景についての考察は割愛させていただきます!
(正直なところ、黒田の血縁関係や空白の17年に関してはそこまできっちり理解できてなくともRUMの正体考察にさほどの影響はないと考えております)
つまり重要なのは黒田が赤井務武だとして、たまたま彼の出した正義執行の解が「RUMとなって組織の中枢に食い込むこと」、そして彼の「正義」が降谷の「正義」と利害関係が一致し結託に至ったのではないかということ。恐らく彼らの正義のため公安という組織を利用するのにこれほどうってつけのコンビはないでしょう。
黒田の血縁がもし赤井家なのであれば、自分の志を追って組織に相反するFBIに所属する息子の赤井秀一には自分がRUMであることを知られたくはないでしょうし、前述した「常に相手の懐内で優位に立っていたい」という降谷の性格からして、その「秘密」を掌握することは大いに優位性を保てるものではないでしょうか。
※この際、降谷の赤井への私怨と、赤井父(仮)との蜜月関係を結ぶことについての心理的葛藤は敢えて無視します。
江戸川コナン(工藤新一)の「宿敵(ラスボス)」についての考察
さてここで話は大きく飛びますが、コナンにとっての「宿敵」となりうるのはどのような存在なのでしょうか。
犯人の犯沢さん?コナンに薬を飲ませた張本人であるジン?それとも組織のボスの烏丸蓮耶?いつも決着がつかない怪盗キッド?
まあいずれも強敵ではありますが、「真実を暴く」ことこそがコナンにとっての命題なのであれば、「真実への到達を阻む存在」こそがその宿敵といえるのではないでしょうか。あるいは「真実を覆い隠す」「真実を捻じ曲げる存在」というべきか…
▼そういう視点で言えば冤罪逮捕ばかりで捜査をかき乱し真実から遠ざける山村警部のようなタイプが宿敵といえる??
それをいうなら小五郎のおっちゃんだってどちらかといえばそのタイプなのではとも思われますが、山村警部の場合、相手を逮捕・拘束できるという権限を持つ刑事です。つまり、一般人が見当外れな犯人を指し示すのとは少しワケが違います(まあただ、へっぽこ過ぎてすぐに論破・懐柔されてしまうという点でコナンの敵ではないので「宿敵」というには役不足かな)
ただし方向性としてはそんな感じです。将来、ラスボス戦でコナンに立ちふさがる「宿敵」となりうる存在がもし現れるならそれは、事件現場では圧倒的な権限を有しながら、真実を覆い隠し、事件を迷宮入り(冤罪含む)にしてしまう力を持つ「警察関係者」なのではないかと思います。
そういう意味では、公安警察の公権力をフル活用しおっちゃんを冤罪の憂き目に遭わせた降谷零というかつてない強敵が立ちふさがった『ゼロの執行人』という映画は、今後の「コナンvs真実を阻むもの」との最終決戦に向けての布石だったように感じます。
えと何が言いたいかと言うと、裏の管理官(警察)でありRUM(組織)である黒田兵衛こそがコナン最終決戦の「宿敵(ラスボス)」として立ち塞がるならば、これ以上のキャスティングはないのではと思います。メタ的考察入りますが、そんな感じで、黒田=裏の理事官(警察関係者)=黒の組織の幹部…という線を推していきたいと思います。
若狭留美の正体を灰原哀の言動から考察
件の、RUMの存在を示唆するアナグラムに関しての推理は、ココでは割愛させていただきますね。
結論から言うと若狭留美はRUMではない。その正体はボディガードの浅香。そしてRUM容疑と羽田浩司殺害容疑のダブル容疑をかけられた人物である。
というのがこちらの記事での見解です(まあ順当なところで…)
であれば、黒田(RUM)とのキャンプでの一触即発ムードな応酬も理解できます。
▼互いに一歩も引かない(仲悪そう…)
あらゆる状況が、彼女を「RUMである」という嫌疑がかかるよう仕組まれている。そしてそのことを彼女自身も気づいている…
とはいえ、警察関係者にすべてをぶちまけて身の潔白を証明する術を彼女は持ち得ません。なぜならRUM=警察関係者だから…
守るべき人たち(羽田・アマンダ)を守りきれず、さらには「裏切り者(RUM)」として嫌疑をかけられ、存在が知られれば組織からも追われる身…
灰原さんがいつの時点で若狭留美の「本当の正体」について気づいたのかは不明ですが、あの警戒心の強い灰原さんが若狭のことを「好き」と表現するにはよほどの背景があるはずです。
▼そのヒントとなるのがこのシーン
「所詮裏切り者には」
「居場所なんてないんだから」
灰原さんが比護選手のファンになるきっかけとなった、比護選手の境遇について語られるシーン。灰原さんというコはどうやら自分と境遇が似ている相手に親しみを覚えるタイプであるということがわかります。
つまり組織からも羽田浩司の関係者からも疎まれ居場所のない若狭留美(浅香)に親近感を覚え、「好き」になった可能性は大いにあります。
というわけで、若狭留美は「RUM」嫌疑をかけられた浅香でありコナンサイドの味方である…と推察されます。
☆まとめ(妄想です)☆
・RUM=黒田兵衛
・浅香=若狭留美
・若狭留美は四面楚歌
・黒田兵衛(RUM)と降谷零は蜜月関係
・黒田が降谷を「バーボン」と呼ぶのは「RUMだから」
・黒田はRUMだが「正義」の人
・黒田(RUM)と降谷の「正義」は一致している
・黒田と降谷には公安と組織の両方を牛耳るという野望がある
・降谷は黒田の「血縁上の秘密」を握っている
・黒田と降谷はいわゆる二重スパイだが、「正義」のためなら公安や黒の組織といった「所属(手段)」に固執しない(つまりどちらの組織を裏切る可能性もある)
・降谷が黒田への報告(工藤新一に関して)を黙秘したのは工藤新一の幼児化から灰原の生存も数珠繋ぎに発覚し、初恋の人の娘を再び危険に晒してしまうのを避けるため(恐らく工藤家ですべての秘密を聞き「灰原を護る」という点で赤井と合致したので黒田との電話中、真っ先に赤井を思い浮かべたと推測)