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Channel: ゆめかたつの曲解的漫画考
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『ROBOT×LASERBEAM(ロボレーザービーム)』は『黒バス』を超えるか

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久々のジャンプ感想記事更新です!
yukuです。

『ROBOT×LASERBEAM(ロボレーザービーム)』は、『黒子のバスケ』作者の藤巻先生がずっと描きたかったとおっしゃられてた待望のゴルフ漫画ということで、満を持した感もあり、めちゃめちゃ楽しみにしてたんですが、ウーンどうなんですかね…違う作品だって頭ではわかってるんですが、どうしても前作のキャラや展開に面影を重ねてしまう自分がいたりするんですよね!

とはいえ前作が円満終了だっただけに、その余韻もそこそこに始まったこのロボレザ、作者ご本人の自虐ネタになる程には黒バスの面影をクッキリ感じてしまうのは過激派読者ゆえの定めなのでしょうか。

まず主人公である鳩原呂羽人(通称ロボ)の好敵手ポジであろう三浦鷹山(※画像右)に関しては、キャラデザはもとより恵まれたゴルフの才能、強敵を求める闘争心など、どうしても黒バスの青峰と重ねてしまいます。

▼あとこの眼光の鋭さとか…どうですかね?!
イメージ 1


これは黒バス読者だからそう感じるだけなのかな。

黒バスファンじゃない人が見たら実はそれほどでもないのかな。

もはや前作フィルターかかりすぎちゃって冷静なジャッジができない自分がいます

ちなみにロボくんに関しては作者自身が「赤司に似てる」と自虐ネタをかましてましたが、ウーン個人的にはどちらかというと『モブサイコ100』(マンガワンにて連載漫画)の主人公(モブ)に重ねてました。といっても強いて言えばのレベルですが…

逆にWJにはあまりいないタイプのキャラですかねー。

少なくともWJスポーツ系漫画の主人公にはいないタイプ…

まあ、黒バス主人公である黒子テツヤ君もあまり「ないタイプ」の主人公でしたからねー。そういった所謂ニュータイプのキャラを主人公に持ってくるってのが藤巻先生作品の真骨頂なのかもしれません。

とはいえ実はこの『ロボレザ』、一見前作の面影をなぞってるように見えて、ある意味『黒子のバスケ』とはまったく逆のベクトルからアプローチされている作品であることが窺えます。

ここからは私個人の所感ですが…『黒子のバスケ』の主人公・黒子テツヤはどちらかというと作品テーマに寄り添う「達観的主人公」でした。

一方で才能を持て余し、バスケ選手として大切な何かを欠落させた状態のまま別々の道を歩んでしまったキセキの世代たちを「目覚めさせる」ところに黒子の主人公としての存在意義があり…黒子とのプレイを通じたキセキの世代たちが自分たちのプレイスタイルを見つめ直し模索する「成長物語」がまた大きな見どころでもありました。

ところが今回のロボレザ主人公・ロボは、雰囲気こそは黒子並に達観してる風なのですがその実、精神レベルはどちらかというと、入社時早々ふざけた自己紹介した挙句、先輩に向かって「オレの方が多分うまいんスけど」などと口走った痛キャラが黒バス作品内にもいたような気がするのですがまあそのレベルであることがゴルフ部入部時のロボ自己紹介からうかがえます(そして案の定、早速ゴルフ部主将より、「実力の有無」以前の問題であることを説かれるところまでがデフォです)

いやロボの場合、「実績」がない分、痛々しさは勝るかな

まあ、鷹山に勝ったという触れ込みからの「期待値」こそは大きいですが、公式戦では戦歴ゼロという「ズブの素人」にして、新人ならば当然通過すべき「下積み」を否定・批判する傲慢さは、叩かれても仕方ない案件ですね(本人はいたって悪気がないところが憎めないのですが…)

つまり先人の規律や伝統を軽んじる「実力至上主義」的な、ある意味キセキの世代たちにも通じる欠落ぶりのロボ君が、今後ゴルフ部の仲間たちや好敵手たちとのプレイを通じ、スポーツマンシップとやらを身につけていく、いわゆる「成長物語」としての要素が、すでに作品テーマと共にあり達観の境地にいた主人公の前作とは真逆のアプローチであるといった印象を受けております。

とはいえ、WJスポーツ漫画的にはこちらが「王道」ではあるんですよね。

いずれにせよ、前作の面影を漂わせつつ実は真逆ともいえるアプローチへの試みが見どころの『ロボレーザービーム』、今後の展開に期待です。


余談(読み飛ばし可)

とはいえ現時点では厳しめな順位のようですね。

まだ打ち切り候補の段階にまでは到達してないでしょうが、単純な掲載順を見る限り、思いのほか「不発感」は否めません。

ただでさえゴルフという、やや少年誌ではとっつきにくいジャンルでもあるのでココは早々のテコ入れは必要なのかもですねー(まあ安易にヒロインキャラの投入でテコ入れっていう展開になっても微妙ですが…)

幸い、ゴルフ部の面々が結構な個性派ぞろいっぽいので、うまくキャラ立ちさせられれば一気に面白くはなりそうではあります。

個人的に、あの手の主人公キャラは、多少ご都合主義でもOKなので、黒子やモブサイコのモブみたいな総受感(ヒロイン感)を出していければ化けるような気はします。

しかし暫く見ないうちにWJもかなり風向きが変わったなと感じます。

ひと昔前にはジャンルを席巻していた萌え豚向けの「学園ラブコメ」や腐女子向けの「バトルもの」などはパっとせず、どちらかといえば「いわゆるジャンプっぽくない」作品(『約束のネバーランド』や『鬼滅の刃』など)が意外にも受け入れられ、ジャンプ漫画も「キャラ至上主義」より「しっかりしたストーリー性のある作品」が評価される時代にシフトされてきたのかもしれません。

一体、今のWJ漫画界では何が起こっているのか…

いずれにせよ数年前の「キャラ至上主義」を後生大事に守ることで、昨今の変化にうまく乗れないようであれば『ロボレーザービーム』も、『腹ペコのマリー』も、生き残れないのではと思います。

どちらも前作ではそれなりの実績を残されている中堅作家なので、そこんとこがまあ僭越ながら若干不安要素ではないかと思う次第ではあります。



えー…こんな感じで、ホンマ何様?ってくらい上から目線記事でしたが、勘に障った方がおられたらすみません。

最後まで読んでくださってありがとうございました!!!



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