コンニチワールドトリガー
yukuです。
『黒子のバスケ』が最終回を迎えてから初めてのWJ感想記事になります。
まだ喪失感から立ち直れていないのですが何とか気を取り直しつつ今週のジャンプも読んだ順番に感想いきます!
■食戟のソーマ
ついに脅威のトレス料理人・美作vs創真の一騎打ちが火蓋を切って落とされました!
固唾を呑み見守る極星寮の仲間(&にくみちゃん)たち…
えりなお嬢様のモノローグより、先週の「このお題のことを何も理解してないのね」という言葉の種明かしがなされます。
なるほど、たしかにソーマの十八番ともいえる「定職屋の味」の真髄は「口に入れて三口目においしいと感じさせる」いわゆる「おふくろの味」的な味付けであるのに対し、今回のテーマでもある「洋食のメインの一品」これは逆に「一口目」のインパクトが求められる。つまりソーマが工夫した「白味噌を加えることで味をマイルドにさせ口当たりをよくさせる」といったような行為は少なくとも今回のテーマからは逆行しているともいえますよね。
さてそこまで思い巡らせたえりなお嬢様、なんやかやソーマのことを心配し気にかけてるんじゃんと思いきや、(無様に敗北する様を見せていただくわ)とほくそ笑みます!
うーん…いい感じです。ちょっと前回のやりとりで仲良く…とまではいかずとも距離が縮まったのかなと一瞬淡い期待をしたのですが見事に打ち砕かれました。あくまでもえりなお嬢様にとってソーマは目障りな存在っていうのは揺ぎ無いみたいですね。
しかしソーマ、そう簡単にえりなお嬢様の思い通りにはなりません。
一見シチューにはそぐわない牛テールを選択することで、ゼラチン質を活かしやさしい味わいだけではない、コクのあるシチューにすることを目論見ます。
これはスッポンバーガーで秘書子さんも使っていた手口…!
えりなお嬢様の顔色が変わります。
そして逆にイキイキとした表情でソーマを見つめるにくみちゃん。
にくみちゃんにはこのテーマの本質がソーマより先にすでに分かってたのでしょうか?
まあ「白味噌」アイデアはともかく、肉の部位による特質を活かしてインパクトのある味わいのものを…って話だけで言うと恐らくにくみちゃんの専売特許でもありますしね。
だとすれば試作の段階で四苦八苦していたソーマに差し入れを持っていったにくみちゃんが敢えて直接的なアドバイスを口にせず、差し入れの肉にメッセージを込めていたってところに、にくみちゃんのソーマへの献身度合いが伺えます。
いやー、「愛」のなせる技ですね…
しかし美作、まさかのトレスで選んだ部位はやはりソーマと同じ牛テール…!
まじですか…
しかしえりなお嬢様やにくみちゃん、極星寮のみんなはもとより、ずっとつきっきりだった新聞部員くんですら気づかなかったソーマの思考回路を美作は観察だけでトレスしたってことで…だったらある意味このトレスはここまでソーマが上がってくるってことを誰よりも確信し、その成長を信頼していたという他ならぬ証ともいえますよね。美作恐るべし。
■火ノ丸相撲
火ノ丸vsチヒロ、互いの矜持を賭けた相撲vsレスリングの異種格闘技戦は火ノ丸の勝利に終わります。
いやー、アツイ勝負でした…
しかし火ノ丸を貶めるためにわざわざ審判まで買って出てきたヒロイン?レイナは結局途中から空気でしたねー。
まあ、あの「たくらみ顔」結構好きなので、レイナちゃんにはここで懲りずに第二第三の手で火ノ丸に何かとちょっかいをかけていってほしいものです。
しかし最近のWJはヒロインを小悪魔的キャラにするのが流行ってるのでしょうか。
斉木の照橋さん然り、暗殺教室のビッチ先生然り、ソーマのえりなお嬢様然り…
■(新連載)ジュウドウズ
『烈!!!伊達先輩』の近藤信輔先生新連載ということで、前作がギャグマンガ系だっただけにところどころのテンポ良い小ネタが光ります。
ていうか今週号の表紙を飾ってる主人公なのですが…
一瞬、銀さんかと思た…
設定的にはかなりアツイ。
初っ端から世界チャンピオンはじめとする猛者が集う日本柔道の本拠地が舞台ということで、てっきりそこに乗り込んだ主人公vsチャンピオン的な、「柔よく剛を制す」をモットーに、目指すは世界一みたいな下剋上展開を予想しておりましたがまったくそうではなく、むしろ世界最強のメダリストたちがかつて一度も勝てなかった古武術の使い手が秘密裏に集う村…その八破羅出身である主人公に歴代の猛者たちが勝ちを得るべく挑戦をし続けるという、異色の設定です。
うーん、だけど「イケメン」設定は個人的に要らなかったかな。
「柔よく剛を~」という要素を強調したいがためのキャラ設定であればせめて「優男」的なところでとどめておいてほしかったです。
主人公のライバルがイケメン設定っていうのは大変好みなのですが、主人公はもう少し野暮ったい方がのちのち物語に感情移入しやすいんだけどなあとかって、でもまあこの物語に至っては「挑戦者」はイケメン主人公クンではなく、日本柔道界の歴代メダリストたちっていうことを考えれば別に主人公に感情移入しつつ読み進めていくスポ根漫画とは一味違うのかと納得済みです。
第一話の掴みはまあokなのではという所感ですが、今後この作品が『るろうに剣心』になるか『無刀ブラック』となるのか…といったところですかね。
相変わらず偉そうですみません。
■ニセコイ
超絶美少女千棘のルックスと、おしとやかで愛らしい小野寺さんの性格要素を併せ持つ、まさに最強の女子・マルーシャ王女がどうやら本格的に楽への矢印フラグ立ててきました…
そういえば春ちゃんの登場時は「小野寺さんのルックスを備えつつの活発少女」ということでそのギャップにドキドキしましたが、今回のマルーシャ王女も、ルックスと性格が春ちゃんとは逆パターンですが、そっちの属性も期待できそうな感じです。
そして一方、マルーシャ王女の演技を精一杯こなそうと奮闘する千棘はまじでめっちゃイイヤツです。
もうね、美人なのに気取ったところがなくて、おまけにちょっと不器用で、でも初対面のマルーシャ王女のために一肌脱ぐことも躊躇わない気風のよさと情の深さ…もう完璧やん♡と思うのですが、男子的には小野寺さんのようなタイプの方がウケがいいんですかね…
こんな感じで以上です!
『黒子のバスケ』が連載終了してから初めての新連載、しかも同じスポーツ枠ということで『ジュウドウズ』、よもや黒バスの後継的作品候補としても期待の眼差しを送っていたのですが、どうなんでしょう、やはりWJ編集部的にもヒット作品の後釜を担う連載としてジュウドウズや火ノ丸相撲を意識している感はあったりするのでしょうか。
『火ノ丸相撲』の作者さんでもある川田先生は黒バス作者の藤巻先生の下でアシスタント経験もありということで、身近にその作風を学んだ分、後継作品としてトレス(といったら言い方悪いですが要するにヒット漫画家のアシ経験を自身の作品にも活かせるんじゃないかと)も期待できます。
まあ、火ノ丸相撲の場合、あくまでも正統派スポーツ漫画としていく方向性が垣間見えるのでそうした意味では黒バスとは作風的に相反する部分もあるでしょうが、それは作者さん側のモットーであり編集部としてはやはり黒バスの後継漫画候補としてもこの作品を充分に視野に入れていることが窺えてしまったりします。
なお、火ノ丸相撲の讃えるべき要素のひとつとして、1巻時点ではヒロインの正体がまったく明かされてないというところにあります。
1話からは出ずともまあ普通、2話から3話くらいではヒロインと主人公との絡みが見られたりしますが、この作品の場合、ひたすらに女っ気のほとんどないままライバル沙田との一騎打ちまで物語は進行していきます。
少年漫画で、しかもWJではなかなか珍しいんじゃないかな。
かといって「女キャラを出さない⇒腐に媚びてる」などといった評価もとんと聞かず、それどころか「稀に見る超正統派スポーツ漫画」としての声が評価として大きいんじゃないかなというのが、まあ統計をきちんととったわけじゃないですが、感触としてはそんなところです。
といっても、黒バスの後継漫画としては「女性読者」(とりわけ「腐女子」と称される層)の獲得は正直外せません。
それはいくらWJが「脱・女性向け宣言」をしていたとしても、です。
ただし、あからさまな「女性受け」を狙ったものではなく、あくまでも「少年漫画」としてのていを崩さずに女性ファンも味方につけるという、そのへんの匙加減ですかね。
火ノ丸相撲の場合、泥臭くもアツイ「正統派スポーツ漫画」という評価と引き換えに「腐向け要素」はいささか薄いように感じます。
が、まったく意識してないわけでないことは、先般の火ノ丸vs沙田戦での2人の因縁エピソードなどからほんのり垣間見えたりします。
「腐女子は関係性に萌える」という不文律に即するならば、彼らの「ライバル同士のアツくてちょっぴりホロ苦い因縁」は充分にその要素を満たしてるともいえるかもしれません。
互いにライバルとして密かに意識し合いながらすれ違い、3年越しに運命的な邂逅を果たした火ノ丸と沙田の一騎打ちはなかなかそそるものがあったりします。
上記、不快に感じられる方がおられたらすみません。
で、火ノ丸相撲に続く第二の黒バス後継漫画候補『ジュウドウズ』ですが、こちらはもう少し作品の色合い的に黒バス寄りなのかなって印象です。
主人公をまあ、「腐」的表現でいうところの「受け」臭い感じのキャラにしているところは火ノ丸相撲とコントラストされていてうまくバランスとれてるんじゃないでしょうか。火ノ丸相撲は逆に主人公・火ノ丸に対しライバルポジが受け臭い感じですしね。
いずれにしても、両作品とも上手いこと「少年漫画」の体裁を保ちつつ、スパイス的に腐女子層にも楽しみを与えて下さればいち腐女子読者(=アテクシ)として冥利に尽きる所存です…